汝、閲覧するなかれ

3分で読める散文詩。

銀座「十一房珈琲店」

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  銀座にあるパスタ屋「あるでん亭」の絶品アリタリアで腹を満たし、ブラブラと街を歩く。時刻は14時、日差しは強い。通りに並ぶ上等なスーツの仕立て屋を眺めていると、「私もいずれこんなお店の常連になってやる!」とやる気が向上してくる。高みを目指すものというのは上流階級を見てモチベーションを上げるのだ。

 

  5分歩いてそんなことよりカラオケに行きたくなった私は、カラオケパセラヒトカラをたしなむことにした。ヒトカラではいつもamazarashiばかり歌っているので、店から出る頃にはすっかりのどが枯れてしまっている。お店でもらった飴でのどを癒し、また歩きはじめる。

 

  銀座にはまだ私の行ったことのない喫茶店がいくつもある。今日はその中のひとつ「十一房珈琲店」に向かった。

ドアをくぐると珈琲のいい香りに出迎えられる、いい店に入ったなと思う瞬間だ。

店内は奥に長く、数席のテーブル席と広いカウンター席がある。私は1人なのでカウンター席に案内された。

  メニューは普通のブレンドでも600円ちょっと。銀座界隈では安いほうではないだろうか。外の暑さがこたえたのでアイスコーヒーを注文する。

 

 注文してから店員さんが大きな四角いロックアイスを取り出し、アイスピックで砕きはじめた。いつも思うがあれで手をグサリとやらないのだろうか?

出されたアイスコーヒーは丸みのあるグラスで提供された。縦長のグラスやワイングラスの方が多いためちょっと珍しく思う。

まず一口何も入れずいただく。

 

あ、美味しい。

しっかりとした苦味があるがエグ味がない。エグ味がないので後味がスッキリしている。これはシロップやミルクがなくてもそのままで飲めるやつだ。

とは言っても私はミルクもシロップも入れる派である。

 

何故なら甘い方が飲みやすいからだ。

 私にとって美味しい珈琲とはフレンチローストの深煎りであり、MAXコーヒーであり、雪印のコーヒー牛乳なのだ。

こんな情緒もへったくれもない味わい方だが、最初の一口は必ず何も入れず味わうことにしている。それが舌の肥えていない者のささやかな感謝の証として。

 

 

 以上、十一房珈琲店のレポートはここまで。

珈琲の味にうるさい方でも満足のいく味だと思うので、銀座に用がある方は足を運ばれてはいかがだろうか。