銀座「十一房珈琲店」
銀座にあるパスタ屋「あるでん亭」の絶品アリタリアで腹を満たし、ブラブラと街を歩く。時刻は14時、日差しは強い。通りに並ぶ上等なスーツの仕立て屋を眺めていると、「私もいずれこんなお店の常連になってやる!」とやる気が向上してくる。高みを目指すものというのは上流階級を見てモチベーションを上げるのだ。
5分歩いてそんなことよりカラオケに行きたくなった私は、カラオケパセラでヒトカラをたしなむことにした。ヒトカラではいつもamazarashiばかり歌っているので、店から出る頃にはすっかりのどが枯れてしまっている。お店でもらった飴でのどを癒し、また歩きはじめる。
銀座にはまだ私の行ったことのない喫茶店がいくつもある。今日はその中のひとつ「十一房珈琲店」に向かった。
ドアをくぐると珈琲のいい香りに出迎えられる、いい店に入ったなと思う瞬間だ。
店内は奥に長く、数席のテーブル席と広いカウンター席がある。私は1人なのでカウンター席に案内された。
メニューは普通のブレンドでも600円ちょっと。銀座界隈では安いほうではないだろうか。外の暑さがこたえたのでアイスコーヒーを注文する。
注文してから店員さんが大きな四角いロックアイスを取り出し、アイスピックで砕きはじめた。いつも思うがあれで手をグサリとやらないのだろうか?
出されたアイスコーヒーは丸みのあるグラスで提供された。縦長のグラスやワイングラスの方が多いためちょっと珍しく思う。
まず一口何も入れずいただく。
あ、美味しい。
しっかりとした苦味があるがエグ味がない。エグ味がないので後味がスッキリしている。これはシロップやミルクがなくてもそのままで飲めるやつだ。
とは言っても私はミルクもシロップも入れる派である。
何故なら甘い方が飲みやすいからだ。
私にとって美味しい珈琲とはフレンチローストの深煎りであり、MAXコーヒーであり、雪印のコーヒー牛乳なのだ。
こんな情緒もへったくれもない味わい方だが、最初の一口は必ず何も入れず味わうことにしている。それが舌の肥えていない者のささやかな感謝の証として。
以上、十一房珈琲店のレポートはここまで。
珈琲の味にうるさい方でも満足のいく味だと思うので、銀座に用がある方は足を運ばれてはいかがだろうか。